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終わる世界のアルバム [★★]


終わる世界のアルバム終わる世界のアルバム
杉井 光

アスキーメディアワークス 2010-10
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 なんの前触れもなく人間が消滅し、その痕跡も、周囲の人々の記憶からも消え去ってしまうという現象が頻発している世界。そんな世界でぼくは例外的に消えた人間の記憶を保持することができた。
 そしてぼくは気がつく。人が消えていくばかりの世界の中、いなかったはずの人間がいつのまにかクラスの一員として溶け込んでいることに。彼女を知っているように思えるぼくは、不器用な触れ合いを重ねていくが――。
 ゆるやかに終わっていく世界での、切なさが胸に迫る感動ストーリー。


 ひたすら冷たい灰色の世界で、いなくなっていく人々との記憶に囚われる物語。
 何度も経験した喪失が、慣れていくはずの痛みが、徐々に彼を蝕んでいくのが手に取るようにわかる緻密な描写が凄まじい。さすが杉井先生である。主人公もヒロインも数ある杉井作品の中で一番近いのはピアノソナタだったと個人的には思いました。特にヒロインの回りくどさとめんどくささは真冬並。死ぬほど鈍感の主人公はいつもどおりか。

 存在そのものが消えると、もともといなかった人として扱われる世界。
 生きた痕跡さえなく、その人に関連する人々の記憶からも同じように。ではなぜそのような病が証明できるのか、どこから発祥したのか、そういうのは求めるほど真相は闇の中なわけで。ただ主人公のマコトだけは、カメラで撮った人物の記憶は保持できるという設定です。
 そんなマコトのもとに突如現れた少女・奈月。しかし奈月は彼のことを知っていて、同じくマコトもなぜか名前だけは記憶していて。そこからはただただひたすら、消失と喪失だけを味わう物語。
 死ぬと別れるは、同じような意味だけど実際は違うわけで。
 昨日まではきちんといたはずの存在が、自分以外の人間の記憶からはすっぽり抜け落ちているという奇妙な感覚が恐ろしい。しかも作中でも何度も繰り返されているのに、マコトの視点から見る人々がそれに一切の違和感を持っていないのがひたすらに気味が悪い。「悲しい」という感情さえ挟まずに訪れる、唐突で不条理な別れがとても心にくる。唯一その喪失感に打たれ続けるマコトが、見ていられなかった。ホントにこういう心身ボロボロになっていく描写は杉井先生の十八番だなー。

 そして奈月との関係性が明かされたあとの別れもかなり切ない。
 なにもかも忘れられたらどれだけ幸せだろう。でも、このかけがえのない人との大切な思い出はいつまでも刻まれ続けられるべきなんじゃないだろうか。少なくとも、私だったらいつまでも憶えていたい、かな。
 奈月の最後の言葉はそれほどに美しかったです。いいものを読みました。

 
2011-01-27 : 文庫感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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